IT業界の話をインターネットで見ていると、「SIer」という言葉を良く目にします。これって、どういう意味なのでしょう?今回は、SIerとは何かについてご紹介いたします。
SIer(システムインテグレーター)とは
SIer(システムインテグレーター)は、SIをする人(企業)という意味です。SIは、System Integrationの略です。Integrationは「ひとつに統合されたもの」といった意味合いですので、システムインテグレーションは直訳すると「システムをひとつに統合する」という意味です。ここから派生して、SIは、ユーザ企業の要望を分析し、システムの設計及び構築を行い、導入から保守までを行うことを指すようになりました。似たようなニュアンスの言葉にアプリケーションベンダがありますが、アプリケーションベンダは不特定多数のユーザを相手にするのに対し、SIerは各案件ごとに特定のユーザを相手にする点が異なります。
▼ 関連記事
SIerの主な業務
SIerの業務を一言で言うと、ユーザ企業が求めるコンピュータシステムを作りあげることです。システムを作るためには、まずユーザ企業が必要としている要件を正確に把握する必要があります。いわゆる要件定義と呼ばれるフェーズです。意外と思われるかもしれませんがユーザは自分自身がやりたいことを正確には把握していません。このため、何度も打合せ、資料を作ってユーザのやりたいことを可視化し、どんなシステムならユーザのニーズを満たせるのかを突き詰めていく必要があります。SIerの最初の仕事がこれです。
次は、要求事項を満たすようにシステムを設計していきます。使用するハードウェアの選定やソフトウェアの選定、ネットワーク設計なども対象です。もちろんプログラムの設計も行います。続いて設計を元にプログラムを作成します。プログラムの作成作業にはソースコードの作成とテストが含まれます。並行してマニュアルなどのユーザ向け資料の作成も行います。そして作成したシステムを導入します。導入後は、問い合わせ対応やバグ対応などの運用・保守を行います。
SEとの違い
SEはSystem Engineerの略です。SEは個人の職種を指すのに対し、SIerは企業の業種を指します。SIerが多くのSEやプログラマを抱えている、という構図になります。
▼ 関連記事
代表的なSIer
国内だけでも山のようにありますが、大手SIerとして有名な企業は以下の通りです。
・日本IBM
・NTTデータ
・野村総合研究所
・富士通エフ・アイ・ピー
・日立ソリューションズ
・東芝ソリューションズ
・NECネクサスソリューション
・キャノンITソリューションズ
・新日鉄住金ソリューションズ
・伊藤忠テクノソリューションズ
・大塚商会
・インテック
・オービック
ここに挙げたのはほんの一部で、地方の中小系SIerまで含めると幾多の企業が存在します。
まとめ
今回はSIerとは何かについてご紹介しました。SIerは企業向けにコンピュータシステムを構築する企業のことです。「企業向け」とくくりましたが、官公庁などの公共団体もユーザになることがあります。SEは個人の職種を表す言葉ですので混同しないように注意しましょう。
image byFreepikによるデザイン