2020/05/08更新

GoogleとYahoo!を例に“持株会社”について解説!!

皆さんはアルファベットやZホールディングスという企業をご存知でしょうか?この2社は非常に有名なIT企業であるにも関わらず、あまりご存知ない方も多いのではないでしょうか。では、GoogleとYahooを知らないという方はいらっしゃるでしょうか?おそらく、こちらの記事をお読み頂いている皆さんはほとんどがその2社を知っているはずです。実はアルファベットとGoogle、そしてZホールディングスとYahooは非常に深い関係があります。具体的には、アルファベットとZホールディングスは持株会社と言われる企業形態です。そこで今回は持株会社について考察します。

持株会社とは何か

では、持株会社とは何なのでしょうか。簡単に言うと子会社の株を持っている会社です。日本には上場企業が約3,700社存在していますが、その中の500社以上は、この持株会社という制度を選択しています。例えば、冒頭に挙げたアルファベットはアメリカの企業です。このアルファベットは持株会社であり親会社にあたる企業ですが、その傘下として検索・広告のGoogle、AI研究のDeepMind、自動運転車開発のWaymo、シンクタンクであるJigsawなどの子会社が存在しています。

世界でも有数の規模を誇るIT企業であるGoogleが子会社だと言われても、なかなかイメージできないかもしれません。持株会社には3つの種類が存在しています。それは「純粋持株会社」「事業持株会社」「中間持株会社」です。

1つ目の「純粋持株会社」とは、親会社が事業を行わない会社です。アルファベットという持株会社自身が何らかの事業を行っているわけではないので、この「純粋持株会社」にあたります。2つ目の「事業持株会社」とは、子会社の株を有する親会社自身が何らかの事業を行っている会社です。日本では、各種電子部品製造を事業とするアルプス電気と情報通信機器のアルパインが2019年1月1日に純粋持株会社から、事業持株会社に移行しています。3つ目の「中間持株会社」は、親会社に属しながら傘下の類似事業を行う子会社を束ねている会社です。リクルートやNTTは、この中間持株会社という形をとっています。

持株会社のメリット

では、なぜ多くの企業が持株会社を選択しているのでしょうか。それは多くのメリットがあるからです。具体的には以下のようなメリットです。

経営スピードの迅速化

持株会社である親企業はグループとしての目標を打ち出すことはありますが、各事業会社の具体的な戦略までは口を出すことはありません。そのため、よりスピーディーな経営を実現できます。持株会社という形態をとっていない場合、親会社は全ての子会社の方針などを決定していく必要があります。簡単に言えば、持株会社とは、自立した子どもを持つ親に近いイメージなのです。IT業界に流れる波は、他の業界と比較しても非常に速く、わずかな経営判断の遅れが経営に致命的なダメージを与えることもあります。そのため、IT業界に属する企業は、持株会社を選択するケースが増えているのです。

経営に対するリスク分散

昨今、世界情勢は極めて不安定な状況に陥っており、日本の企業も厳しい経営状態が続いているところが少なくありません。そのため、これまでは莫大な利益を挙げていた事業であっても、競争力を失った結果、採算がとれなくなるということも珍しくありません。事業会社という形態をとっていない場合、子会社の1社が大きな損失を出した場合、親会社やグループ自体が倒産の危機に陥ることもあります。一方、持株会社という形態において、子会社自体は独立した企業であるため、万が一赤字となっても、その影響が及ぶのは子会社自身で済むのです。これが経営にとってリスクの分散となるのです。

企業買収や経営統合のシナジー効果を出しやすい

IT業界では頻繁に企業買収や経営統合が行われています。記憶に新しいところでは、2019年5月に発表されたソフトバンクのヤフー子会社化、2019年11月に突如発表されたヤフーとLINEの経営統合、SCSKによるMinoriソリューションズのTOBなどでしょう。ただ、買収や経営統合はゴールではなくあくまでもスタートに過ぎません。

全く異なる企業文化や事業を有する企業が、同じベクトルを向いて1つになるということは非常に難しいことなのです。持株会社という形態は、子会社自体は独立した状態を保ちつつもグループとして大きなゴールを目指すことになります。そのため、企業買収や経営統合のシナジー効果を出しやすい状態となるのです。

持株会社のデメリット

非常にメリットが大きい持株会社という制度ですが、良い事ばかりではなく、デメリットもあります。それは傘下の子会社同士の連携が滞りがちという点です。同じグループ企業であっても、採算は独立しているため、自社の利益を優先することになります。親会社がよほど強いリーダーシップを発揮しない限り、グループの結びつきは弱いものとなってしまう可能性があるのです。

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