2018/11/19更新

IT業界志望の文系学生に知ってもらいたい昔と今のIT業界

一昔前、「ITバブル」という言葉が流行しました。一般企業のIT投資意欲が高く、IT業界が何もしなくても仕事が受注できるくらい大忙しだったことがあります。それでは今はどうなのでしょう?今回は、現職SEである筆者から見た、今のIT業界についてご紹介いたします。

景気面

ITバブルの頃ほどではありませんが、今でもIT業界は堅調に成長しています。むしろ仕事が多くて困ってしまっています。仕事が少なくてヒーヒー言っているというIT企業の話もあまり聞かないので、業界全体が安定的に潤っているのではないかと思います。
その理由はいくつか考えられます。まず、ITはかつて無いほど生活に密着した存在になったことです。一時期はパソコンが使えない世代のITリテラシーが低いと話題になったこともありましたが、今ではスマホがあり無理にパソコンを使う必要がありません。操作はパソコンよりずっと簡単で、しかも一人が一台持っています。Webシステムの利用やネット通販も当たり前のようになりました。
もはやITは生活に欠かせないものになっており、IT業界が縮小する心配はありません。

次に、システム開発の環境が整っていることが挙げられます。ほとんどの開発環境は無料で入手できます。開発用の機材もクラウドを使えば初期投資が少額で済むので、小さなIT系の企業は大助かりです。昔に比べると、参入障壁も随分低くなったと思います。

そして今後、IT人材の不足が深刻化すると予想され、2030年には80万人も不足すると経産省が予想しています。この業界の景気は、しばらくは安泰でしょう。

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同業者に関して

筆者の周辺だけの話かもしれませんが、デキる人とデキない人の差がどんどん激しくなっている気がします。デキる人は既存の技術はもちろん、最新の技術にも精通しています。またプログラム開発論にも精通していて、読書量も半端ないです。
一方、デキない人は会社内で教えてもらうこと、やっている仕事の範囲でしか学んでいません。やっている仕事が同じなら、5年経っても何も成長していません。
昔は・・・というと説教臭くて嫌なのですが・・・デキる人だらけでした。いつの頃からか、アマチュアっぽいプログラマやSEが増えてきました。これをどうすれば良いのか、筆者には妙案が無い状態です。

技術面

IT業界はいつも技術革新の話題で花盛りです。現在は第3次AIブームの真っ只中で、Microsoft Cognitive ServiceやIBM Watson、Google.AIなど、クラウドベースのAIサービスも始まっています。第2次AIブーム(1980年代)の頃にはチンプンカンプンだったニューラルネットワークもアルゴリズムがパッケージ化され、ちょっと(だいぶ?)勉強すれば素人でもディープラーニングに手が届きます。しかもこれらはオープンな環境で議論されて日々進化しており、その気があればこうしたセッションに参加することもできます。(英語ですが)

その他、今のIT業界で流行っているキーワードは、IoT、Fintech、ブロックチェーン(Bitcoinで使われている技術)、DevOps、クラウド(既に定着した感がありますが)などなどです。
開発環境もガラリと変わりました。昔はWindows上でちまちまとクライアントサーバシステムを作っていましたが、今はWebシステム全盛です。また、タブレットやスマホを利用したシステムも盛んに作られています。

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仕事のしやすさ

パソコンがムーアの法則で日進月歩に進化し、開発用のマシンも非常に快適になりました。無料で入手できる良質な開発ツールも多く、また言語も進化したので、開発効率は随分と良くなりました。しかし多くの古いIT企業では相変わらずドキュメントと言えばExcelとWordなのが何ですが。また、技術者を軽視するIT企業が多いのは相変わらずです。とりあえずシニアになると管理職になるかレガシーSEとして残るかの2択という状況は改善されていません。また、IT技術の進歩に比べて、マネジメント技術は相変わらずあまり改善が見られない気がします。

働き方改革のおかげで、とんでもないプロジェクトは減少する傾向にあるのは良い点です。ただし、働き方改革も始まったばかりで、生産性を向上する施策を打たずに早く帰れの大合唱で、日中がやたらと忙しいという欠点もあります。この辺りは、今後に期待です。

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まとめ

今回は、現職SEである筆者から見た、今のIT業界についてご紹介しました。この業界はとにかく移り変わりが激しいので、飽きがきません。仕事のしやすさもかなり改善されてきました。筆者としては、今後のAI活用に大注目です。

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