SIerの仕事といわれると、皆さんはどのようなものをイメージされるでしょうか?イメージがつかないという方や、プログラミングをイメージされる方も多いはず。今回は、よりSIerの仕事をイメージしやすいように、1つのプロジェクトがどのような作業を行って完了するのか、主な工程毎にご紹介しようと思います。
上流工程:開発前の準備
▼業務分析
まず初めに行うのが「業務分析」です。世の中には様々な仕事がありますが、如何なる仕事にも流れがあります。業務分析とは、お客様にヒアリングを行い、仕事の流れ、内容を理解します。また、業務における課題や問題点を抽出します。
▼提案
業務分析を行う事で、お客様が業務上で抱える問題点が見えてきます。SIerはこの問題点を解決するためには、どのようなシステムがお客様に必要なのかを考え、お客様にその内容を提案します。この工程では、お客様にシステムの提案を行うともに概算の見積もり(費用)も提示します。お客様は提案内容と見積もりなどを踏まえて、提案されたシステムを導入するか否かを判断します。
※場合によっては複数の会社でコンペを行う事もあります。
▼要求分析
実際にシステムを開発するにあたり、どのようなものが求められるかを関係部門にヒアリングしたり、各署と調整を行いながら、決定していきます。ここで決定されたものをベースとなり、以降の工程は進んでいきます。この工程を行う事でどのようなシステムを開発するかが明確になりますので、改めて見積もりを行います。
▼設計
要求分析で決定された内容をベースに、実際にシステムを開発するために、どのような構成がよいのかを検討、決定します。具体的には画面の項目や帳票の内容を始めに、実際のプログラミングを行うにあたっての構成などを決定してきます。
下流工程:開発〜納品
▼製造(プログラミング・単体テスト)
設計工程の内容をベースに、プログラミング言語を用いてプログラムを行います。また、実装したプログラムが意図しない動きをしないか、開発した機能単位に確認を行います。問題があった場合は、プログラムを修正し再確認を行います。
▼テスト
開発した機能が問題ないか各機能を結合した状態での確認を始めに、想定している処理時間を超えることがないか、セキュリティ面に問題がないかなどの確認を行います。製造工程と同様に、問題があった場合はプログラムを修正し、再確認を行います。
▼導入
開発したシステムを実際に運用するための作業を行います。プログラムの導入はもちろんですが、必要なデータの移行などがあればそちらの作業も行います。
▼サポート
開発したシステムを実際に運用すると、時折想定しない問題が発生することがあります。また、お客様がシステムに慣れていないため、色々な質問があがる可能性があります。SIerは開発したシステムを納品した後も、お客様のフォローを行い、安定した運用を実現します。
最後に
今回はSIerの作業工程についてご紹介しました。実際の作業はもう少し細分化されますが、まずは本日ご紹介した内容をご理解いただければ、SIerの仕事がイメージしやすいのではないかと思います。
最も大事なのは、各工程をきっちりと完了させることです。各工程の成果物が疎かな状態で次の工程に進んでしまうと、その工程の作業は当然滞り、最終的にはプロジェクトは失敗する可能性が高くなります。今回ご紹介した内容はプロジェクトの作業工程についてでしたが、実は日々の作業の1つ1つにもいえます。日頃からやるべきこと確実に消化していく癖をつけましょう。
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