2019/12/20更新

ITで農業改革 生まれ変わり始めた日本の農業

日本の農林水産物は海外でも高い評価を得ています。その海外からの評価は輸出額という数字に顕著に表れています。農林水産省の発表によれば、2012年以降は右肩上がりの状況が続いており、兼ねてから政府が設定していた2019年に1兆円突破という目標も達成の現実味を帯び始めています。その中でも農産物の伸びによる貢献は大きく、2018年の農産物の輸出実績は、対前年比14.0%増の5,661億円にまで増加しています。

一見、順調に拡大している日本の農業ですが、海外の農業とは大きく差が付き始めています。世界の農産物輸出額をみると、日本は40~50位に甘んじている状況なのです。たとえばアメリカは広大な土地を有しており、その土地を活かして大規模農業を展開しています。これは、国土が限られている日本では真似できない手法です。

さらに驚くべきはオランダです。オランダの国土は九州と同等程度でありながらも、突出した農業輸出額を達成しているのです。これを実現しているのがスマート農業と言われるものです。IoTやコンピュータによる徹底した農作物管理により、極めて効率が良い生産を可能としているのです。

話を日本の農業に戻しましょう。日本の農業はIT化が遅れていました。現在ではスマート農業も少しづつ浸透しはじめていますが、まだまだ農家の方が長年の経験で得た「知識と感覚」に頼っているのが現状です。この「知識と感覚」による農業は、昨今限界を見せ始めています。それらの課題を解決するために、そして農業強国としてグローバルに君臨するために誕生した仕組みがあります。それはWAGRIという農業データ連携基盤です。

WAGRIとは何か

WAGRIを主導するのは、慶應義塾大学環境情報学部准教授で、内閣官房 副政府CIOなどを併任する神成淳司氏です。神成准教授は、日本の農業を強くするためには、これまで各社がバラバラに保持していたスマート農業のデータを集約・統合し、活用する必要があると考え、WAGRIの構築に奔走してきました。このWAGRIを構築するために組織されたのが農業データ連携基盤協議会というグループです。現在、この協議会には約350近くの企業、大学、そして地方自治体が参画しています。

特に企業においては、IT企業はもちろん、銀行、自動車メーカー、広告代理店、コンサルティング、損害保険といった多種多様なプレイヤーが参画しているのが非常にユニークな特徴であり、大きな可能性を秘めていることを感じさせます。

この続きを読むためには【無料会員登録】が必要になります。
会員登録後はNTTグループやリクルートなど、人気企業の就活に役立つES回答例や企業研究コンテンツがあわせて閲覧可能です。 無料会員登録はこちら